東京・お出かけスポット 東京藝術大学大学美術館 藝大生な気分を味わいに
日本の最難関大学は東京大学です。その意見に異を唱える者がいるとしたら、おそらくこの大学の名前を呼ぶでしょう。
それは、芸術界のトップが集う場所「東京藝術大学」です。なぜなら毎年約3,000人の東大生が誕生するのに対し、藝大生は、わずかその6分の1にも満たない※471人しか誕生しないからです。
それを単純に48都道府県で割ると東大生は1都道府県で上位63位まで。藝大生は、1都道府県で上位10位以内に入っていないと受からないって計算です(地域差は除く)。
とにかく学生が少なすぎるのです。まず、生きているうちに藝大生に出会えません。果たして藝大っていったいどんなところなのでしょうか?どこに生息しているのでしょうか?
この度どこ出かける?は、日本一の最難関大学の東京藝術大学キャンパス内にございます「東京藝術大学大学美術館」に取材させていただく機会をいただきました。
東京藝術大学大学美術館企画係広報の加藤さんにお話を伺ってまいりましたので、どうぞご覧くださいませ。
東京藝術大学大学美術館について
東京藝術大学大学美術館の歴史について教えてください。
当館は1999(平成11)年秋に開館し、今年で開館24年をむかえます。もともと文庫とよばれていた図書館に収蔵品がおさめられていたのですが、1970(昭和45)年に発足した芸術資料館に移管されました。
その資料館が手狭になったことと、コレクションの規模に見合った充分な展示空間への要望が学内外から高まったこと等の理由から、大学美術館へと生まれ変わり、大学内に設置された美術館として、教育・研究とともに社会に開かれた美術館として活動していくことを理念として、開館しました。
大学の歴史に比べるとまだまだ新しい美術館ですね。
もっともっと認知されてたくさんの方々に訪れてほしいです。
東京藝術大学大学美術館はどのような場所ですか?
東京藝術大学のキャンパス内にある大学美術館です。東京藝術大学の前身である東京美術学校が1887年に設置される以前から、教育、研究のための「参考品」として収集された作品や、歴代の教員や卒業生が残した作品など、コレクション数は国宝・重要文化財23件を含む約30,000件にのぼります。
東京藝術大学大学美術館には誰でも入れるのでしょうか?
もちろんどなたでもご入館いただけます。
大学内にありますので、限られた研究者などしか入れないと勘違いされることも多いのですが、皆様に広く公開しています。
わー。嬉しい。このひと言をいただきたかったです。
やっぱり、外部の人間にとって大学って敷居が高いんですよねー。しかも藝大ですから。
とくに藝大・美大を目指す学生さんなんて絶対行くべきです!モチベが上がりますよー。
東京藝術大学大学美術館にはどのような作品を収蔵していますか?
東京藝術大学のコレクションは、前身である東京美術学校の開校に先立ち開始されました。以来130年以上にわたり、学生たちの学びに役立つものを、古今東西を問わず収集するという方針のもと、古美術から現代アートまで様々な作品を収蔵しています。
有名な作品では、国宝《絵因果経》、狩野芳崖の《悲母観音》重要文化財、高橋由一の《鮭》重要文化財、上村松園の《序の舞》重要文化財があります。
東京藝術大学大学美術館の開催時期、展示内容について
常設展や特別展、企画展のような形式なのでしょうか?それとも不定期開催ですか?
当館は常設展はありません。
年に1~2度の藝大コレクション展に加え、様々なテーマで開催される特別展、そして大学ならではの展覧会としては、学生の卒業・修了作品展、博士審査展や退任される教員の集大成でもある退任記念展があります。
過去に開催した企画展で好評だったものをいくつか教えてください。
いろいろありますが、、
この10年くらいでは、国宝 興福寺仏頭展や、うらめしや~冥途のみやげ展、ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし、渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画、日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱展があります。
本当にさまざまなテーマなのがお分かりいただけるかと思います。主に大学の教員が企画している展覧会ですので、研究成果としても質が高く、なおかつ一般の方にも分かりやすいように、表現や展示を工夫しています。
おもしろそうな企画ばかり。時代背景やトレンドがしっかりよめているトップの大学の教員たちですもの。
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おすすめの展覧会・催し物がありましたら教えてください。
なんといっても、3月31日(金)から始まる「買上展」藝大コレクション展2023です。毎年春に、藝大コレクション展を開催しているのですが、例年は展示室を一部屋のみ使用する規模ですが、今年は全4室を使用しての大規模な展覧会です。
「買上」とは、東京藝術大学が卒業および修了制作の中から各科ごとに特に優秀な作品を選定し、大学が買い上げてきた制度のことです。東京藝術大学の前身である東京美術学校でも卒業制作を買い上げて収蔵する制度がありました。
現在では、所蔵する「学生制作品」は1万件を超えますが、本展ではその中から約100件を厳選し、東京美術学校時代から現在にいたる日本の美術教育の歩みを振り返るという壮大な規模の展覧会ですので、ぜひ楽しみにしていてください。
一般大学は卒業時に「卒業論文」が必須単位として存在することに対して、藝大や美術大学では、「卒業制作」が必須単位として存在します。
毎年、藝大の4年生や院の2年生は、東京都美術館やここで1月末頃に開催される「卒業制作展」に向けて制作を進めています。
そんな過去の作品から選りすぐりの絵画・彫刻などが集結しているのですから大変興味深いです。
安全対策について
新型コロナ感染症対策の取り組みについてお聞かせ願います。
マスクの着用は、個人のご判断に委ねますが、今後も引き続き、基本的な感染対策の励行を行います。
ミュージアムショップ、お食事処
ミュージアムショップの情報、人気商品について教えてください。
「買上展」藝大コレクション展2023の会期中は、普段2階にあるミュージアムショップが1階エントランスに出品します。人気収蔵品のポストカードはじめ、藝大ロゴ入りのクロッキー帖やボールペンなど、他では買えないものばかりです。
ここでしか買えないなんて……。
受験生は、このボールペンで願書を書くとご利益があったりして?
お守りになるかもしれません。お土産におすすめですね。
レストランは、美術館2階にホテルオークラ直営のミュージアムカフェがございます。また、1階には学生食堂「藝大食樂部」があり、平日は美術館のお客様にもご利用いただけます。藝大生の気分で、ランチタイムを学食で過ごされる方も多いです。
お茶をいただける場所はございますか?人気メニューついて教えてください。
2階のミュージアムカフェでは、コーヒー・紅茶やケーキセットなどもございます。
さて、「東京藝術大学大学美術館」いかがでしたか?
上野公園って西洋美術館、東京都美術館あたりまでは皆行くんですよ。でも、そこで折り返さず、頑張って斜め右奥まで歩いてみてください。
右手に東京藝術大学音楽学部、左手に東京藝術大学美術学部が見えてきます。
「東京藝術大学大学美術館」は、左手側の入口付近です。
運が良ければ貴重な生命体在学中の藝大生!?にも出会えますよ(笑)。これが一番マニアックで粋な上野公園の楽しみ方かもしれませんね。
加藤様たくさんの見どころを教えていただきありがとうございました!
記事の監修:
東京藝術大学大学美術館
加藤亜紀子
企画係広報担当
コメント:上野公園の一番奥、上野動物園の隣という、静かで緑豊かな場所にある美術館です。展示作品も、展覧会ごとにがらりと変わるところが魅力です。四季の変化にあわせ、季節ごとに訪れていただけると思います。
画像提供:東京藝術大学大学美術館
スポット詳細情報
住所 | 東京都台東区上野公園12-8 |
最寄駅 | JR上野駅(公園口)より徒歩10分 |
駐車場 | 無 |
営業時間 | 展覧会ごとに異なる |
公式サイト | museum.geidai.ac.jp |