富山・パワースポット 越中総鎮守一宮 射水神社 日本遺産のまちを堪能する
今回ご紹介するパワースポットは、
「越中総鎮守一宮 射水神社」です。
富山県高岡市は、「日本遺産のまち」として文化庁に認定されているまさに「歴史都市」。
多くの歴史建造物や文化を体験しに必ず訪れたい観光スポットです。
そんな富山県高岡市の中心部に鎮座する射水神社。
この度、射水神社で権祢宜の田中様に取材をさせていただきましたので、是非ご覧ください。
越中総鎮守一宮 射水神社について
射水神社はいつ頃建てられたのでしょうか?
いつ建てられたかは、はっきりと分かりませんと言うと、少し無責任かもしれませんが、本当に分からず、奈良時代以前とされています。
“建てられた”というと神社の建物、つまり社殿をイメージ致しますが、そもそも社殿はなく、お山自体に“尊い神様”の存在を感じ、崇められてきたことを考えますと、“建てられた”というよりは“お祀りされた”とのことの方が相応しいかもしれません。
ですので、ここでは「奈良時代以前よりお祀りされ、崇め、そして親しまれてきた神様・神社」とお答えさせていただきます。
ちなみに現在の社殿は、明治35年(1902)の建築で、その2年前に発生した高岡大火に伴う社殿の類焼・焼失からの国をあげての再建事業でした。
設計は、後に明治神宮や築地本願寺を手掛けられ、建築家として初めて文化勲章をうけられた伊東忠太氏が担当。
施工は、伊東忠太氏のもと築地本願寺はもとより、数々の歴史的建造物の建設に携わってきた松井組・松井角平氏(現在の松井建設株式会社)が担当しました。
なるほど。長きに渡り親しまれてきた神様・神社なのですね。
そして、現在の社殿の歴史についての回答もいただきました。恐れ入ります。
どのような神様が祀られていますか?御神徳を教えて下さい。
「二上神(ふたがみのかみ)」をお祀りしています。
いわゆる国史、国家の歴史書などには必ずこのお名前で出てきます。
明治8年に現在の高岡古城公園(国指定史跡「高岡城跡」)の本丸跡にご遷座されましたが、太古より『万葉集』にも詠われる「二上山(ふたがみやま)」を神山としてご鎮座されていました。
ここで、国の歴史書には出てくるけれど、『古事記』『日本書紀』には出てこないところが長年のミステリーであり、多くの研究者によって幾つかの“説”が唱えられてきました。
その中で、現在は、伊勢の神宮にお祀りされます皇祖神・天照大御神のお孫様、つまり天孫の「瓊瓊杵尊」とされています。
瓊瓊杵尊は、日本神話・天孫降臨の主人公です。私たち日本人の主食である「お米」の“稲穂”を地上にもたらされた神様で、豊かな実りとともに、商業繁栄はじめ全ての産業を発展に導かれる神様としてご崇敬をあつめています。
また、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)と猿田毘古神(さるたひこのかみ)を娶わせた神話から縁結びとしても有名で、男女の縁のみならず、“子宝祈願でのお子様とのご縁”や“合格祈願での志望校とのご縁”など、あらゆるご縁を結ばれる神様として親しまれています。
そういったさまざまなご事績から〝みちひらきの神様〟とも呼ばれます。
人との縁は、人生そのものだと思います。
とても大切な神様が祀られています。
射水神社のおすすめルート・順番・ご祈祷について
おすすめルート、建物を巡る順番はありますか?
射水神社をお参りするには、まず高岡城をクリアしなければなりません(笑)。
江戸時代に建てられた高岡城は、縄張り(設計)が非常に特異で、防御性の高いことで有名です(平成27年4月、「高岡城跡」として国指定史跡となりました。)。
その本丸跡に鎮座されております神様、神社のため、特に県外からお参りの方は迷われることが多いです。
ぜひ、お参りの際は、神社HP「アクセス」の地図を必ず確認されますことをオススメします(※カーナビを使ったとしてもお城のお濠付近で案内が終了してしまいます……)。
つまり、令和の時代においても、“築城当時の高い防御性”が保たれたお城・お城跡であることがわかります。
この高岡城跡の魅力とともに、お参りの際には、ぜひ「手水舎」「第一鳥居」、そして「社殿」をご覧ください。
「手水舎」は、平成27年に行われた御遷座140年祭を記念して新築されました。神社名からも“水の神様”に相応しく、地下70mから湧き出で、汲み上げているお水はとても上質で、「お水取り」のためにお参りされる方も多くいらっしゃいます。
手水鉢も国産の銘石「やさとみかげ」の一枚岩を使っており、見応えがあります。
お手水を済ませた後にくぐる「第一鳥居」は、こちらも御遷座140年祭の節目を祝し、建立された鳥居です。
こちらは伊勢の神宮の第62回式年遷宮によって、外宮(豊受大神宮)の「板垣北御門(=鳥居)」の払い下げをうけた特別な鳥居です。
「社殿」は、神宮の唯一神明造に基づいた“神明造”で、簡素ながらも直線美が特徴です。
伊東忠太氏も「神社最古の様式にて…まことに神社建築たるに適せり」と賞しています。
また、当神社には“神社にあるはずの狛犬やお賽銭箱前の鈴縄”がありません。
それもそのはず、“伊勢の神宮にも狛犬や鈴縄はありません”つまり、伊東氏の言葉にあるように、神社の最も古いかたちを伝えている数少ない神社のひとつでもあります。
え、不思議ですね。令和の時代でもGPSを防御してしまうなんて。
大事なポイントは「手水舎」「第一鳥居」「社殿」ですね。
承知いたしました。
射水神社で可能なご祈祷について教えてください。
安産・初宮詣・七五三・厄年祓はもちろん、合格祈願・就職祈願・家内安全・商業繁栄など、ご参拝の方々の祈りに寄り添い、あらゆる祈願・お祓いをご奉仕申し上げております。
また、祈願成就の折の“神恩感謝”の祈願もあり、日々の奉仕の中で「祈り」とともに「感謝する」心・気持ちが非常に大切だと感じています。
ご祈祷は多岐に渡りますね。ご自身のお悩みに合わせてご相談ください。
事前に知っておくと自慢できそうな情報
事前に知っておくと得する情報、豆知識はございますか?
迷いますが…豆知識は、伊勢の神宮から特別に拝受した鳥居が建っている場所には、もともと昭和天皇の即位礼で使われた“大嘗宮の鳥居”がありました。
いつまであったかは定かでありませんが、戦前の史料と絵葉書の写真で存在が確認出来ます(また、今回の鳥居建立の際、鳥居の残欠らしきものが確認出来ました。)。
前述にもあるように、“狛犬や鈴縄がない”ことも豆知識のひとつになります。
それから境内のどこかに高岡城の「石垣」が置かれています。
おそらく古城公園内で石垣を一番近くで見ることの出来る場所だと思います。ぜひ、探してみて下さい。乗れるし、さわれます(笑)。
そのほか、紹介したいものはたくさんありますが、神社の参集殿内にカフェスペース「いみづ茶寮」があり、オリジナルブレンドコーヒーや、夏に大人気の“古代米とコシヒカリ”を使った「アイスもなか」がオススメです!
いくつもポイントとなる豆知識をいただきました。
知識として蓄え、石垣はミニクエスト感覚で実際に探してみてください。
そして、オススメのカフェメニューまで。
是非、お立ち寄りください。
安全対策について
新型コロナ感染症対策の取り組みについてお聞かせ願います。
こんこんと湧き流れる水と柄杓…神社の好きな光景でしたが、不特定多数の方が触れる恐れのある「柄杓」は、全国の社寺で撤去を余儀なくされました。
当神社でもコロナ初年からいち早く柄杓を撤去。しかし、お参りの際の手水のお清めは欠かせないことから、サイフォンの原理を応用して取水口から竹筒を通して水を流し、柄杓を使わずにお手水が行えるようになっています。
社殿・建物の換気、ご祈願(お祓い)前後での座席の消毒、こまめな清掃・消毒を心掛けつつ、マスク着用へのご協力をお願い致しながら、お参りの皆様とともに、感染予防対策に取り組んでおります。
※令和4年6月14日現在、御朱印は特別和紙による授与となっております。
神職の方々の日々の努力によって、私たちが安心してご参拝できるのですね。
いつも、ありがとうございます!
射水神社の知っておきたいマナー作法・おみくじ・御朱印について
マナーや作法について、してはいけないことがあったら教えてください。
神様のお鎮まりになる神聖、静謐な場所ですので、やはり周りの方の迷惑にならない行動をお願い出来ればと思います。
迷惑にならない行動とは何かというのは難しいですが…過度に騒ぎすぎないなどかと思います。
ただ、初宮詣(お宮まいり)の赤ちゃんや、七五三の子どもたち、またはお参りに来てくれた赤ちゃん・子どもたちは別です!
「赤ちゃんは泣くのが仕事」とも言われるようにお子さまたちには、元気な姿を神様に見せてくれたらと思います!
(もちろん、危ない・禁止されている場所には行かない・入らない。置いてある神社のものを乱暴に触らないということを守った上でのお話です。)
お参りの作法は、二礼・二拍手・一礼です。
おみくじについて教えて下さい。
おみくじには、一般的なものの他、「子どもみくじ」「恋みくじ」「男みくじ・女みくじ」「とんぼ玉みくじ(とんぼ玉入り)」「恋結びみくじ(恋歌入り)」そして『水みくじ』があります。
“水みくじ”は、手水舎にある専用のヒノキ樽の“お水”につけると運勢が浮かび上がる特別なおみくじで、涼やかさとともに、夏にとても人気があります。
どのおみくじも「大吉」「中吉」「吉」「小吉」「末吉」…などなど、ありますが、大切なのは「大吉だ!」と一喜一憂されるよりも“おみくじに書いてあること”をしっかり読むことです。
おみくじは神様からの“メッセージ”であり、時にはアドバイスです。ですから、必ず神社に結ばれなくてもお持ち帰りいただき、読み返す、または何か壁にぶち当たった時に読んでみることをオススメしています。
神社に結ばれる時は、しっかりと読み、「よし!目標達成のために、これからはこういうふうに頑張っていこう、努力しよう!」と具体的な目標実現への思いを心にした上で結ばれると良いかもしれません。
また、射水神社には『大吉守』(初穂料1,000円)というお守りがあります!
これは“日々の運勢「大吉」に”の合言葉とともにお受けいただけるお守りで、お守りの後ろにおそらくは“世界初”となる「おみくじポケット」付きのお守りです。
「大吉をひいた方」は、大吉の運勢が長く続きますように…「大吉以外をひいた方」は、運勢が大吉に上向くように…そんな特別な祈りを込めたお守りです。
字が浮かび上がってくるなんてなんだか神秘的!水みくじはやってみたいです。
確かにおみくじは一喜一憂して終わり……。やりがちですよ(反省)。
そして、お守りの情報もいただきました。
お守りの裏のポケットにおみくじを入れるなんて初めてみましたよ。
御朱印について教えて下さい。
御朱印は、“季節のあしらい”として、基本的に月替わりのスタンプを使い、季節の感じられるものをご用意しております。
また、「さくら名所100選・高岡古城公園」にちなみ、桜咲く春には〝サクラ咲く 御朱印〟を授与しており、これは公園の桜の開花状況に合わせ、開花、五分咲き、八分咲き…満開、葉桜と変化して行くため、いろいろな表情をお楽しみいただけます。
そして、桜とともに、紅葉の名所でもあるため、昨年から〝もみじ色付き御朱印〟も新たに加わりました。
こちらも青いもみじが季節の深まりとともに黄色、赤色へと変化して行くものです。
その他、限定枚数でご用意する「しだれ桜」「こいのぼり」などもあり、季節や日本の伝統文化を楽しむことの出来る御朱印を揃えています(詳しくは、インスタ公式アカウントをチェックしてみてください!)。
春も秋も限定のものもなんだかどれもとっても美しくて。
構図もすばらしく、絵画のようです。
御朱印マニアの方は季節コンプリートを目指して通っちゃいそうです。
さて、いかがでしたか?射水神社。
多くの事前情報と知識を蓄えさせていただきました。
2015年には北陸新幹線の停車駅である新高岡駅が開業し、より一層都心からのアクセスも容易になりました。
地元の人々が長きに渡り、生まれる前から節目節目に訪れ、それぞれの人生と共に生き続ける神社です。
その歴史と文化を味わいに是非ご参拝しに訪れてみてはいかがですか?
田中様ありがとうございました!
記事の監修:
田中 天美(たなか たかみつ)
越中総鎮守一宮 射水神社
権祢宜
経歴:石川県出身。昭和61年生。36歳。社家(=代々神主の家)の三男として生まれ、三重県伊勢市の皇學館大学を卒業後、平成23年より射水神社に奉職(=就職)。
主に祭儀・広報を担当。祭儀(お祭り)では、神社の古記録をもとに、途絶えた行事の復活に取り組んでいます。
その一つとして、毎年11月23日に全国の神社で行われる「新嘗祭」では、“新米で一夜酒を醸した”との記述をもとに、近年復活させ、毎年“夜を徹して”越中富山の新米で「甘酒」をつくり、お供えしています。
祭典の後、参拝者にも振舞われています。なので、昔は趣味と言えば「神社の古い記録を読むこと」でしたが、今はその傍ら、3歳の息子とトミカ遊び・砂遊びをするのが趣味?日課になっています。
コメント:射水神社は、明治時代に“御遷座”された全国でも珍しい神社です。しかし、神代、古代より二上神への尊崇は絶えることなく、「名神大社」「越中国一宮」「国幣中社」の社格のもと、いつの時代も変わることなく、今日に繋がっています。
当神社には10年に1度、かつての鎮座地である二上山麓へと神様が行かれる神輿渡御のお祭り「式年大祭」があります。神輿渡御だけでなく、お稚児行列や、さまざまな神賑奉納行事があり、とても賑やかで特別なお祭りです。
“令和7年”は、“御遷座150年”となり、ひと際盛大にお祭りを執り行えるよう、すでに準備を始めています。ぜひ、この節目に向け、多くの方々にお参りいただけることが出来ますれば幸いに存じております。
画像提供:越中総鎮守一宮 射水神社
スポット詳細情報
住所 | 富山県高岡市古城1番1号 |
最寄駅 | あいの風とやま鉄道高岡駅より徒歩約10分、車で約3分 能越自動車道高岡ICより約15分 |
駐車場 | 有 普通車 大型可 |
社務所 授与所 | 9:00~17:00 |
公式サイト | www.imizujinjya.or.jp |