和歌山・観光スポット 伊太祁曽神社 厄難除け 木の神さま
今回ご紹介する観光スポットは「伊太祁曽神社」です。
伊太祁曽神社には、木の神様が祀られております。
自宅でちょっと周りを見渡してみてください。木製の家具や食器だったり、今だって自宅には木製のモノが必ずどこかにあると思います。
打ちっぱなしのコンクリートに囲まれた中にひとつ木製の椅子があるだけで柔らかさや優しさ、暖かさが生まれるから木って不思議ですよね。
「和」の象徴ともいわれる木は、これから先も代々崇め奉りたいです。
この度、伊太祁曽神社で禰宜の奥様に取材させていだだきましたので、是非ご参考になさってください。
伊太祁曽神社について
伊太祁曽神社はいつ頃建てられたのでしょうか?
当神社の創建時期については不詳です。
国史に初めて登場するのは『続日本紀』の大宝2年(西暦702年)ですが、それ以前から神社が存在していたことは記事の内容から明らかです。
どのような神様が祀られていますか?御神徳を教えて下さい。
主祭神として五十猛命(いたけるのみこと)を、配祀神として大屋津姫命(おほやつひめのみこと)と都麻津姫命(つまつひめのみこと)をお祀りしています。
この三神は御兄妹で、須佐之男命(すさのおのみこと)の御子神です。
『日本書紀』の記述では父神(須佐之男命)の命によって、我が国に樹木を植えて回った「木の神様」として慕われています。
また『古事記』の中では、大国主命(おほくにぬしのみこと)が生命を狙われる災難に遭われた時に助けた神として「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」の段の後に登場します。
このことから「厄難除けの神」「いのち神(転じて病気平癒の神)」としても知られています。
近年では「気の神様」として参拝される方も増えています。
日本に樹木を植えて回った神様ですか!
大重要任務かと思います。
言わば日本の祖ですよね。
伊太祁曽神社のおすすめルート・順番・ご祈祷について
おすすめルート、建物を巡る順番はありますか?
特に決まった順番はありません。
ご自身の気持ちに素直に従って、思う順番でお参りされたら良いと思います。
本殿にお参りするのは勿論ですが
・氣生神社(きしょうじんじゃ:五十猛命の荒御魂を祀る)は「気の神様」
・蛭子神社(ひるこじんじゃ:明治に合祀された神々)は地元の守り神様
・祇園神社(ぎおんじんじゃ:父神である須佐之男命を祀る)
・御井社(みいのやしろ:水の神様・井戸の神様を祀る)
・櫛磐間戸神社(くしいわまどじんじゃ:門番の神様を祀る)
などの摂末社があるので、ゆっくりと時間をかけてお参りされる方が多いようです。
また、割拝殿の「木の俣くぐり」により大国主命が災厄から逃れたことを実体験したり御井社の前にある井戸で「いのちの水」と呼ばれる湧き水を戴いたり(容器持参で持ち帰り可:病人に飲ませるために汲んで帰る参拝者が多い)
蛭子神社前の「お猿石」を撫でて、首から上の病の平癒を願ったり神宮遙拝所から伊勢の神宮に手を合わせたり祇園神社の前の磐座(いわくら)と通じて出雲大社(大国主命を祀る)に手を合わせたりと、1時間位はあっという間に過ぎてしまいます。
承知いたしました。本殿以外の摂末社も含め、皆様もゆっくりとマイペースにご参拝ください。
その中でも押さえておきたいポイントが、「いのちの水」と「お猿石」ですね。
伊太祁曽神社で可能な祈祷について教えて下さい。
基本的に参拝者の希望する祈願にはお応えしますが、原則としてご本人にお越しいただいています。
特に「厄祓い」などは本人を祓う訳ですから、お越しにならないと「お祓い」はできません。
また「木の神様」ということで樹木伐採のお祓いについてお問い合わせがありますが、伐ってしまってからお越しになられたり、伐る予定の木の枝を持ってこられてもお祓いにはなりません。
必ず、伐採する前に現地に伺ってお祓いを致します。
他人にご祈祷を頼んでOKならなんでもありですよ。
そして、木の枝持ってきても困りますよね。
きっと、そういった事例があったのでしょうか?
常識の範囲内で希望するご祈祷が可能だと思います。
事前に知っておくと自慢できそうな情報
事前に知っておくと得する情報、豆知識はございますか?
最寄りの伊太祈曽駅を通る、わかやま電鉄貴志川線は、猫が駅長をしていることで著名な鉄道です。
この鉄道の前身である 山東軽便鉄道(さんどうけいべんてつどう)は大正時代に、日前神宮・國縣神宮(ひのくまじんぐう・くにかがすじんぐう)、竈山神社(かまやまじんじゃ)、伊太祁曽神社の三社への参詣者を運ぶために敷設されました。
この三社へお参りすることを、この近辺では「三社参り」と言い、初詣などでこれを行う人が多いです。
鉄道は一時期廃線の危機を迎えましたが、住民運動により存続となり、現在は猫の駅長を初め、ユニークなオリジナル電車が走っていることで、遠方からわざわざ乗りに来る方も増えています。
おもしろーい!
黒猫と白猫が同時に停車してるなんて、もしかしてかなりレアな瞬間だったりして!?
黒猫の頭には「TAMA」ですって(笑)。
これも、旅の途中の楽しみになりそうです。
安全対策について
新型コロナ感染症対策の取り組みについてお聞かせ願います。
参拝者が多い場合はマスクの着用をお願いしていますが、広々とした屋外空間ですので、周りに人がいない場合にはマスクを外して自然を五感で体感して下さい。
但し、御神札やお守り、御朱印、おみくじなどを授与される際、祈祷・祈願の受付の際などは手指消毒やマスク着用をお願いしています。
伊太祁曽神社の知っておきたいマナー、作法・おみくじ・御朱印について
マナーや作法について、してはいけないことがあったら教えて下さい。
境内には飲食禁止の場所、写真撮影禁止(場所によっては写真可、動画不可)の場所、ペット連れ不可の場所などがあります。
また注連縄などで結界をした先は一般の方の進入禁止です。
最近の神社ブームで参拝者が増えているのはありがたいことですが、時々そういった基本的な注意事項が守れていない参拝者も見受けられます。
神社は神祭りをする場所であり、また参拝者が心静かに祈りを捧げる場所です。
かしこまりました。
どうか、ルールを厳守して粛々とご参拝くださいませ。
おみくじについて教えて下さい。
当神社では、通常の筒を振って出てきた棒に記された番号のおみくじをお渡しする「降り出し式みくじ」の他にも、ユニークなおみくじがあります。
鯛みくじ
鯛の張り子の尻尾におみくじがついています。
引いた後の鯛はマスコットとしてかばんなどにつけて下さい。
伊太祁曽神社は木の神様を祀りますが、昔は船が木で造られたことから、船の神様として信仰されている地域もあります。
現在でも、泉州から南の漁師が大漁と航海安全の祈願に、正月参拝されています。
三角みくじ
三角形の小さなの中に貴石とおみくじが入っています。
石ごとに持つ力があります。出会った石との縁を大切に、お守りとしてお持ちいただきます。
とんぼ玉みくじ
おみくじにとんぼ玉が1つ付いています。でてきたとんぼ玉はお守りとしてお持ち下さい。
こどもみくじ
ガチャガチャ(カプセルトイ)の機械で引くおみくじ。
神様や神社に縁のある人形が1つ付いています。ストラップとしてカバンなどにつけて下さい。
お守りの文面は子供向けになっています。
「おみくじ」は神様から頂いた大切な御託宣(メッセージ)です。
「大吉」とか「吉」という結果だけを見てすぐにみくじ掛けに結ぶ人がいますが、そこに書かれている内容がとても大切です。
時々読み返して自分の気持ちを引き締めるために、お持ちになることをお薦めしています。
受験生であれば大吉か小吉かよりも、試験が無事に終わるかが気になるでしょう。
妊婦さんであればお産が軽いかどうかが気になるでしょう。
仮に「大吉」であったとしても全てについて良いわけではありません。
おみくじを結ぶことには「願掛け」の意味合いがあったりしますので、否定はしません。
その際、携帯電話などで写真を撮っておくことをお薦めします。
写真を見返せば、おみくじに書かれていたことを思い出すことができますから。
結んで行きたい方は、みくじ掛けを準備しているのでそちらに結んで下さい。
境内の樹木に結ぶ方がいますが、木々が傷むのでご遠慮下さい。
(当神社は木の神様をお祀りしていますので、木に結ばれたおみくじは見つけ次第取ってしまいます)
どれもすごいかわいいけど紫の三角みくじにしよっかな。
おみくじを写真に撮っておくっていうのは、斬新です。思いつかなかったわ。
いつでも読み返せますし、前回いつ引いたかの履歴も残るから、運気の波も傾向がみえてきそうです。
是非やってみます。ありがとうございます!
御朱印について教えて下さい。
御朱印は参拝をした証として頂くもので、スタンプラリーではありません。
ご家族やご友人の朱印帳を預かってお出しになる方が時々いますが、これは御朱印の意味としては全く違うものになってしまいます。
(神社では特にお尋ねすることはありませんので、仮にご本人がお越しになられていなくても朱印は押しますが)
最近はコロナウィルス感染症対策として朱印帳を預からず、予め紙に認め(したため)たものをお渡しする神社が増えているようですが、当神社では変わらず御朱印帳に直接お書きしています。
いわゆる「書き置き」の御朱印は準備しておらず、御朱印帳をお持ちでなかった場合でも、お申し出を頂いてから半紙にお書きしています。
そのため、祭典などの最中に御朱印のお申し出があった場合、祭典終了までお待ち頂く場合があります。
その際は、境内を散策するなどしてお待ち下さい。
先に朱印帳をお預けいただき、ゆっくりとお参りされても結構です。
また、夏詣の期間のみ「期間限定朱印」を行っています。
和歌山藤代産の古代松煙墨による青い墨で文字を書きます(印は通常のものと変わりません)。
夏詣限定朱印の実施期間は公式サイトなどでお知らせします。
参拝した証ですよね……本来。
オーダーが入ってから作るみたいなこだわりレストランかのようです。
唯一無二ですぐに折り畳めないほどのできたての御朱印が手に入りますよ。
さて、いかがでしたか?伊太祁曽神社。
こちらの多くの質問にも大変丁寧にお答えいただきました。
おすすめのポイントはいただいたので、ゆっくり「木」と「気」を感じながら、ご参拝ください。
そうそう、本物の猫の駅長さんにも会ってきてくださいね。
奥様ありがとうございました!
記事の監修:
奥重貴
伊太祁曽神社
禰宜
当神社は我が国に樹木を植えたと伝えられる 五十猛命(いたけるのみこと)をお祀りする神社です。
五十猛命を祀る神社は日本全国に約300社あると言われますが、その総本宮的位置付けになります。
私達の生活は木々の恩恵を強く受けています。
古代において家屋や船、また日常生活に用いられる様々な道具の多くは木製でした。
煮炊きをする、暖を取る燃料としても、木材は欠かせないものでした。
自動車が普及するまでの物流の中心は船でしたので、木の神様は運搬の神様という側面も持ち合わせています。
こんなことから、古来「大変に功績のあった神様」という意味で「有功神(いさおしのかみ)」の別名でも呼ばれてきました。
近年では温暖化防止策として温室効果ガスを減らすことが言われますが、温室効果ガスの1つである二酸化炭素を吸収して酸素を生み出す樹木の役割にも大きく注目が集まっています。
こうしたことから「木の神様」は「環境保全の神様」であるという解釈が生まれ、環境問題に取り組む方々の参拝が増えている様な面もあります。
伊太祁曽神社の神様は太古からいらっしゃる神様ですが、同時に大変に新しい神様でもあるのです。
是非、古くて新しい神様を祀る伊太祁曽神社に猫の電車に乗ってお越しください。
伊太祁曽神社 公式Instagram
伊太祁曽神社 公式Facebook
画像提供:伊太祁曽神社
スポット詳細情報
住所 | 和歌山県和歌山市伊太祈曽558 |
最寄駅 | JR和歌山駅より和歌山電鐵貴志川線伊太祈曽駅下車徒歩5分 |
駐車場 | 大型車 5台 普通車 30台 ※大型観光バスで来社の場合は必ず事前連絡をお願いします。 |
営業時間 | 9:00~17:00 参拝は24時間いつでも可 |
公式サイト | itakiso-jinja.net |