岩手・お出かけ・観光スポット 岩手県立博物館 歴史と文化に触れる一日

記事の取材・編集・制作:クラフト株式会社

岩手県立博物館 - DOCODEX(どこ出かける?)

今回取材させていただく施設は、岩手県立博物館です。

地元の方からは、けんぱくの愛称で親しまれるこの施設は、古代から現代までの岩手の歴史と文化が息づく数々の展示が並んでいます。

展示室は、単に時代ごとのカテゴリ分けではなく、6つの部門(考古、歴史、民俗、生物、地質、文化財科学)から構成されているのが特徴的です。

これによって岩手の時代背景がよりわかりやすく理解できます。

展示室を巡れば自然と遥かなる過去からの声が耳に響き、視覚、聴覚、触覚が喚起され、豊かな物語が目の前に広がることでしょう。

この度、岩手県立博物館で学芸員を務めておられます工藤さんにそのあたりの魅力についてたっぷりと伺ってまいりましたので、どうぞご覧くださいませ。

岩手県立博物館について

質問1編集部

岩手県立博物館はどのような場所ですか?

答え1学芸員 工藤

岩手県立博物館は、5億年にわたる大地、多様な生物相、縄文・平泉などの歴史的変遷、地域性豊かで多彩な民俗事象といった、岩手県が誇る豊かな自然史及び文化史に関する資料と情報を展示しています。

様々な興味・関心に対応できる総合博物館です。

質問2編集部

岩手県立博物館の魅力について教えてください。

答え2学芸員 工藤

当館には、様々な分野の展示があります。

自分の興味のある分野以外でも、見るたびに新たな発見があるところが、当館の魅力だと思います。

岩手県立博物館の人気の作品、おすすめの作品

質問2編集部

人気の展示、おすすめの収蔵品はございますか?

答え2学芸員 工藤

当館には、考古、歴史、民俗、生物、地質、文化財科学6部門がありますが、各部門おすすめの展示資料を紹介します。

考古部門では、盛岡市萪内(しだない)遺跡出土の大型土偶頭部です。国指定重要文化財で、壊れていなければ全身で1mと、日本一の大きさです。

【考古】総合展示室
– 【考古】総合展示室 –

歴史部門では、戦国武将蒲生氏郷が使用し後に南部家に伝わった鯰尾兜(なまずおのかぶと、燕尾形兜とも)。

【歴史】燕尾形兜
– 【歴史】鯰尾兜 –
編集部
編集部

わ、すご。

巨匠の彫刻家が作ったみたいな美しいフォルムです。

こんなにもシンメトリーでバランスのいい立体って現代でもとんでもない作業工程かと。

昔は目立つことが重要だったのかな?こんなの頭に被ったら目立って狙われるしー。

これ被って馬に乗れるのかな?首がやられそうだけど重くないのかな?作者は誰だろう?

なんて想像が止みません。

民俗部門ではユネスコの無形文化遺産に認定された岩手県大船渡市のスネカです。

– 【民俗】スネカ –
編集部
編集部

秋田といえば「なまはげ」でしょ。

岩手といえば「スネカ」なのですよ。

どちらも子供の成長と豊穣、豊漁を祈る年中行事です。

生物部門では、岩手の自然を象徴する鳥・イヌワシの営巣地を再現したジオラマです。

【生物】イヌワシ
– 【生物】イヌワシ –

地質部門では、エントランス展示にもなっているマメンキサウルスの全身骨格と、日本初の恐竜化石モシリュウの上腕骨です。

【地質】マメンキサウルス
– 【地質】マメンキサウルス –
編集部
編集部

いきなり入り口でハートを掴まれますから。

全長22mの巨大な恐竜がお出迎えー!

なんでも一番はじめに恐竜が発見されたのは岩手県なんだとか。

文化財科学部門では、東日本大震災の大津波で被災した陸前高田市の資料を手当てしている、通称修復館です。

【文化財科学】修復館
– 【文化財科学】修復館 –

津波を被った資料の劣化をくい止めるための作業、「安定化処理」を、震災から12年経った今も継続しています。

修復館には見学通路があり、1階ではおもに安定化処理、2階では修理の様子をご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りください。

編集部
編集部

「劣化をくい止める」か……。

なるほど。博物館は発掘・展示だけでなく維持することも大切なんだな。

後世に残さなければならない大切な情報ですものね。

質問3編集部

常設展以外に特別展・企画展・イベントなどは行っていますか?

答え3学芸員 工藤

当館ではこれまで、岩手県の様々な分野に関する展覧会を開催してきました。

令和5年は、6月からテーマ展「北上川上流五大ダム探検大作戦」、9月からテーマ展「早池峰山の花と森」、12月には注目の特別展「ポケモン化石博物館」が開催される予定です。

他にも毎月、講演会やお子様向けのイベントを開催しています。

編集部
編集部

来るよ「ポケモン」!

これは、すごいことになりそうね。

質問3編集部

事前予約が必要な施設はございますか?

答え3学芸員 工藤

特別展は、事前予約が必要な場合がございます。詳しくは当館HPをご覧ください。

編集部
編集部

承知いたしました。以下にご案内します。

企画展・テーマ展のご案内 »

質問3編集部

周辺施設も含め、おすすめの楽しみ方、学び方を教えてください。

答え3学芸員 工藤

館外には屋外展示として、重要文化財の旧佐々木家住宅と旧藤野家住宅、植物園や岩石園があり、館内グランドホールからは、雄大な岩手山の眺めも楽しめます。

岩手ならではの自然に触れられるのも、当館の特徴です。

編集部
編集部

ありがとうございます!

スマホの予定表にある備考欄に追記しておきましょう。

岩手県立博物館の事前情報、知っておきたいマナー・エチケット

質問3編集部

絶対にしてはいけないことがありましたら教えてください。

答え3学芸員 工藤

展示資料や展示ケースに触れること、触察展資料を手荒く扱うこと、館内を走ることはご遠慮ください。

喫茶、お食事処、ミュージアムショップについて

質問6編集部

食事はできますか?人気メニューがございましたら教えてください。

答え6学芸員 工藤

館内の無料休憩室には、自動販売機や、喫茶ひだまり(営業時間 10:30~14:30)が併設されています。落ち着いた雰囲気で風景を眺めながら、食事を楽しむことができます。

定番のひだまり定食(唐揚げ定食)680円、ピザトーストセット580円などが人気です。季節限定のケーキもあり、何度来ても楽しむことができます。

– チーズケーキセット –
質問6編集部

人気のおみやげ、人気商品、ミュージアムショップについて教えてください。

答え6学芸員 工藤

ショップには、展示に関する文房具やグッズ、県内工房で作成された工芸品、書籍などがあります。

生きものや歴史関連のフィギュアなどが入ったカプセルトイも人気です。

編集部
編集部

やってみたーい。博物館カプセルトイ。

名前を変えて再ブレイク中ですが、博物館にまでとは。

全世代大好きですよね。

編集部
編集部

さて、「岩手県立博物館」いかがでしたか?

ここは、岩手が誇る自然や文化が集約している場所です。

多くの展示物や重要文化財が館内にあり、特別展やイベントも充実しています。

岩手への旅をご計画中でしたら、「けんぱく」は必ず押さえておきましょう。

岩手の歴史と文化に触れる魅力的な展示で、新たな発見と感動を味わえると思いますよ。

工藤様たくさんの見どころを教えていただきありがとうございました!

記事の監修:
岩手県立博物館
工藤 健
学芸員(歴史部門・広報担当)
岩手県八幡平市出身

コメント:お客様から、「こんなに多くの展示があるとは知らなかった」「時間が足りなかった、また来たい」というお言葉を頂くことがあります。また、「小さい子どもが楽しめる展示が多い」などのお声もあります。

当館は、多くの皆様が楽しみながら学べる博物館です。ぜひお越しください。

公式Twitter

画像提供:岩手県立博物館

スポット詳細情報

住所岩手県盛岡市上田字松屋敷34番地
最寄駅JR盛岡駅よりバス約30分
東北自動車道 盛岡ICから約25分
駐車場無料
74台
営業時間9:30~16:30(入館は16:00まで)
公式サイトwww2.pref.iwate.jp/~hp0910/
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