京都・観光スポット 高麗美術館 韓国・朝鮮芸術を味わうなら
今回ご紹介する「高麗美術館」は、韓国専門の美術館です。
韓国といえば、2020年BTSが米ビルボードで1位を獲得、BLACKPINKも大活躍中ですよね。
皆スタイル抜群で世界屈指のダンスに高いシンクロ率は、日本の若い男女にも大変支持されています。
韓流ドラマも主婦層に大人気で現在の日本では2020年頃から「第4次韓流ブーム」に突入したと言われています。
芸術的なパフォーマンスで世界的に注目されている韓国。
あまり知られていませんが、美術の分野だって負けておりません。
この度、高麗美術館の中村様に直接取材させていただきましたので、その魅力に迫ってみたいと思います。
高麗美術館について
高麗美術館はどのような場所ですか?
京都市北区にある日本で唯一の韓国専門の美術品を展示・研究する小さな美術館です。
創設者・鄭詔文氏(1918~1989年)が長年日本で蒐集した考古資料、民俗資料など、朝鮮半島の美術工芸品を中心に所蔵、展示しています。
2体の石像彫刻がなんとも穏やかな顔つきで出迎えてくれます。
優雅で心地よい空間です。
高麗美術館の魅力について教えて下さい。
隣の国・韓国の文化を理解し、目で見て感じることが出来る美術館です。
日本の文化とよく似ている部分もあれば、似てにつかない部分もあり、非常に興味深いです。
2階のオープン展示には朝鮮家具や道具など朝鮮時代の部屋が再現され、韓流時代劇を見ているような雰囲気をそばで味わうことができます。
また庭や駐車場周辺の植木には高麗時代(918年~1392年)や朝鮮時代(1392年~1910年)の石造美術品や可愛い石人たちがたたずみ、韓国と日本庭園が融合したような癒しの空間が広がっています。
周辺は住宅街で静かなので、写真撮影などもしながらゆっくりと楽しんで頂けると思います。
お庭の写真撮影は自由ですよ。
高麗美術館に収蔵している主な美術品は絵画、彫刻、工芸どれにあたるのでしょうか?
展示は陶磁器や絵画、工芸品、民族資料などが中心となります。
主に高麗時代から朝鮮時代後期のものが所蔵されています。
どのような利用者が訪れていますか?
利用者の方は、古美術や民芸、美術工芸品、韓国の文化が好きな方が大半と思われます。
また美術館の創設に関わる作家や学者の先生方のファンや歴史、考古ファンの方も多くいらっしゃいます。
最近では人権や異文化を深く理解するための勉強会などで来館される方も増えています。(要申込で団体観覧の趣旨に応じて解説なども行われます。)
比較的中高年層の方が多く、友人グループやカップル、美術や文化を学ぶ学生さんたちのご来館もございます。
なるほど。幅広い層の美術・工芸ファンが訪れていますね。
高麗美術館の作家、おすすめの美術品
人気の作家、おすすめの美術品はございますか?
代表する所蔵品として、まずは真っ白な「白磁壺」(ハクジコ)です。
創設者・鄭詔文氏が朝鮮半島の美術品を蒐集するきっかけとなったもので、当館の代表する美術品となります。
また当館の学芸員に聞くと白磁に可愛い花や蝶が飛び交う「青花花蝶文瓶」(セイカカチョウモンヘイ)がなどあり、その他涼しさを感じる貴重な韓国の壺などがございます。
これらは代表作品ですが常設展示されていないので、ご覧いただけない場合もあります。
また2017年のユネスコ「世界の記憶」に登録されました朝鮮通信使に関する資料の一部である「朝鮮通信使参着帰路図」、「宗対馬守護行帰路行列図」、「馬上才図」を所蔵しています。
ユネスコに登録されたこともあり、ご要望も多く2020年度から企画展と合わせて常時展示しています。
朝鮮半島から日本へ派遣された外交使節団が対馬から下関、京都や近江、小田原などを通って、江戸幕府を目指し、最終は日光まで、そして朝鮮半島へ戻る容易ではない距離を往復されました。
室町時代から江戸時代にかけて、豊臣秀吉の時代150年の間には一旦途絶えましたが、12回にわたって国書を持ち日本へ外交のためにやってきました。
朝鮮通信使に関する史料は日本各地に残っていますが、これらの資料は朝鮮通信使がやってきた当時の様子を知る大変貴重な資料です。
展覧会の周期はどのくらいですか?
年に2回の企画展及び特別展を開催しています。
基本4月1日から8月半ばまでの「春・夏季展」と、
9月1日から12月上旬までの「秋季展」を開催しています。
所蔵品の1700点は展覧会の内容に合わせて順次展示しています。
現在、秋展終了後の12月上旬から翌年3月31日までは冬期休館となっております。
常設展示はございませんので、展覧会の会期をチェック頂きご来館ください。
事前予約が必要な施設はございますでしょうか?
予約なしで当日入館いただけます。
月2回程度の「学芸員によるギャラリートーク」も開催していますので、開催日時に合わせてご来館頂くこともおすすめいたします。
企画展の内容にあまり詳しくなくても、わかりやすい解説でより興味をそそられるものになっていると思います。
30~40分程度ありますので、時間に余裕のある方はぜひご参加ください。
やはり何もわからないまま閲覧するより、学芸員の方の解説があると理解も深まります。
学芸員によるギャラリートークは公式サイトにスケジュールが出ていますので、おすすめ。必ずチェックしましょう。
安全対策について
新型コロナ感染症対策の取り組みについてお聞かせ願います。
・来館者へ手消毒、マスクの着用のお願い
・入館時の検温
・館内に空気清浄機や二酸化炭素濃度測定器を設置
・加湿器等による湿度管理と定期的な換気
・従業員の手消毒、マスクの着用、毎日の検温と健康管理の徹底
高麗美術館の知っておきたいマナー・エチケット
絶対にしてはいけないことがあったら教えて下さい。
他のお客様もいらっしゃいますので、館内ではできるだけ静寂にお願いいたします。
またオープン展示の美術品もありますので手に触れないことと、展示ケースにもたれかかったりしないことです。
お子様連れの方は目を離さないようご協力おねがいいたします。
また当館では館内の写真撮影が禁止です。
他館とも共通していますが、メモを取る際にはボールペンやシャープペンシルなどは使用せず、鉛筆をご利用ください。貸出も行っております。
意外と知られていませんが、ボールペンやシャープペンシルが美術館で禁止なのは、シャープペンの芯が折れて飛んだり、不慮に金属の先で画面を傷つけたりしまうからだそうです。
私も、今回の取材で初めて知りました。
また、ボールペンのインクで展示品を汚してしまうかもしれません。
撮影が禁止ですから、作品タイトルなどメモをとる際は、必ず鉛筆を使用してください。
おみやげ、売店について教えて下さい。
受付にて関連書籍や図録、オリジナルのミュージアムグッズなどを販売しております。
ポストカードは定番で、現在は所蔵品の猫図がプリントされたクリアファイルや朝鮮通信使のイラストがかわいい付箋などが人気です。
毎年2回、新しい切り口で開催される企画展・特別展は見どころ満載です。
お庭の石像彫刻は、カップルや友人グループでの映えスポットにぴったりです。
韓国の音楽が好きな方は、この機会に美術にも触れてみてはいかがでしょうか?
きっと新たな韓国が見えてきて視野が広がるかもしれませんよ。
事前に公式サイトで展示会をしっかりチェックして訪れてみてくださいね。
とても癒やしの時間になるかと思います。
中村様ありがとうございました。
記事の監修:
高麗美術館
中村 睦
受付スタッフ
私は受付スタッフですが、毎回開催される企画展・特別展を楽しみにしています。
展覧会の見どころを知ることで、一つ一つの美術品を丁寧に見ることができます。
また中国、朝鮮半島、日本などそれぞれの文化の特徴や共通するもの、長い交流の歴史があることを実感することが出来ます。
ぜひ高麗美術館に来館された際には、時代に思いを馳せながら鑑賞して頂きたいなと思います。
画像提供:高麗美術館
スポット詳細情報
住所 | 京都府京都市北区紫竹上岸町15番地 |
最寄駅 | JR京都駅より市バス9または快速9西賀茂車庫行、「加茂川中学前」下車徒歩1分 地下鉄北大路駅より市バス37西賀茂車庫行、「加茂川中学前」下車徒歩1分 |
駐車場 | 普通車 3台 |
営業時間 | 10時~17時(入館16時30分まで) 開館時間を変更している場合がありますので、公式ホームページをご確認下さい。 |
休館日 | 毎週水曜日 |
公式サイト | www.koryomuseum.or.jp |