沖縄・観光スポット 那覇市立壺屋焼物博物館 壺屋やちむん通りとセットで楽しめる名所

記事の取材・編集・制作:クラフト株式会社

那覇市立壺屋焼物博物館 - DOCODEX(どこ出かける?)

ついに沖縄県の施設に初取材です。

沖縄県那覇市の観光名所といえば、「首里城」「国際通り」が有名ですが、壺屋やちむん通りも確実に旅のルートに追加しておきたい有名スポットなのをご存知ですか?

壺屋やちむん通りは、国際通りから平和通りを抜けて徒歩5分ほどの場所にあり、400mほど続く石畳の道には、伝統的な柄や色彩の器から現代的なデザインの器まで、さまざまな焼物(やちむん)が並びます。

また、表通りからちょっと脇道に入ったすーじ道(路地裏)など、昔ながらの町並みに出会えるのも魅力です。

壺屋やちむん通りでは、自分好みの器を物色したりできるのですが、その前に立ち寄っていただきたい場所が今回ご紹介させていただく那覇市立壺屋焼物博物館です。

この度、那覇市立壺屋焼物博物館で主任学芸員を務めておられます又吉さんにお話を伺ってまいりましたので、どうぞご覧くださいませ。

那覇市立壺屋焼物博物館について

– エントランスホール –
質問1編集部

那覇市立壺屋焼物博物館はどのような場所ですか?

答え1学芸員 又吉

那覇市立壺屋焼物博物館は、焼物(やちむん)のまち壺屋のメインストリート、壺屋やちむん通りの入口に位置しています。

1998年に開館し、今年で25周年を迎えました。1階から2階は常設展示室となっており、1階では主に沖縄の焼物や壺屋焼の歴史を紹介し、2階では壺屋焼の技法や特徴などを知ることができます。

– 常設展示室 1F –
– 常設展示室 2F –

通りには工房の直売所やセレクトショップが並び、地元の方から観光客まで多くの方が訪れます。

周辺には国指定重要文化財・新垣家住宅をはじめとする焼物に関する文化財が残り、およそ340年続く焼物のまち壺屋の趣きを感じることができます。

国指定重要文化財・新垣家住宅
– 国指定重要文化財・新垣家住宅 –
質問2編集部

那覇市立壺屋焼物博物館の魅力について教えてください。

答え2学芸員 又吉

当館は壺屋焼をはじめとする沖縄の焼物文化を伝える博物館です。壺屋焼を中心とする沖縄の焼物の歴史から壺屋焼の技法、多種多様な器や美術品を見ることができます。

また、今年度から2階常設展示室にて映像解説を導入し、普段なかなか見られない製作風景や陶工の技などがよりわかりやすく伝わる内容となっております。

編集部
編集部

まずは、壺屋焼を中心に歴史を振り返ることで、目利き力がついたりして?

意識が高まって、その後のショッピングが楽しくなりそうです。

那覇市立壺屋焼物博物館の人気の作品、おすすめの作品、周辺施設

質問2編集部

人気の展示、おすすめの収蔵品はございますか?

答え2学芸員 又吉

沖縄初の人間国宝・金城次郎の作品は県内外で人気があり、当館ではコーナーを設けて常設展示しています。

– 金城次郎作品コーナー –

金城次郎の代表作である魚文のほか、様々な形や技法を見ることができ、民藝の世界で高く評価された金城次郎の作品の良さがうかがえる展示となっています。

– 「線彫双魚文皿」金城次郎作(1963年)-
編集部
編集部

金城次郎ですね。了解です。

とにかく素朴だなー。

枠内に1発で決めたと思える豪快な線は、迷いがなく心地よいです。

なんだかほっこりする作品ですよね。

質問3編集部

常設展以外に特別展・企画展・イベントなどは行っていますか?

答え3学芸員 又吉

3階企画展示室では、年に4回ほど企画展が行われます。企画展は、焼物の歴史をテーマにしたものから現代の陶工に焦点を当てたものまで、多岐に渡り開催しています。

2年に1回を目安に開催する特別展では、沖縄ではあまり見られない資料を含め、県内外の資料を一堂に会する展示を行っています。今年は土器をテーマとした特別展を予定しています。

また、当館では企画展示室の貸し出しを行っており、県内外の作家さんによる展示会も開かれています。陶芸のほか、絵画や写真など様々な分野の方にご利用いただいております。

最近では、作家さんによる茶碗の展示会や自然を擬人化した絵画作品の個展が開かれました。

イベントは5月から翌2月にかけて、毎月1回常設展ギャラリートークを行っています。毎回テーマを設けて実施しており、専門の学芸員から詳しい説明を聞くことができます。

展示内容についてより深く学べるだけでなく、展示だけではわからないコアな話や裏話なども知ることができるおすすめのイベントです。

編集部
編集部

ギャラリートークは全10回ですか。

学芸員さんが語るここだけの裏話がおもしろいんですよね。

7回以上の参加でプレゼントがあるそうですよ。

日程はこちらでご確認ください。

常設展ギャラリートーク »

質問3編集部

周辺施設も含め、おすすめのルート、おすすめの楽しみ方はございますか?

答え3学芸員 又吉

壺屋は器だけでなく、沖縄の歴史や風景を楽しめる場所です。通りでお気に入りの器を探したり、昔ながらの古民家や石垣、井戸などの風情を感じたり、シーサーのそばで寝転がるネコを探すなど色んな楽しみ方ができると思います。

博物館で壺屋焼の歴史を知ってから通りのお店を見ていただくと、より器に思い入れが出てくるかもしれません。

近くにはサンライズ通りや平和通りなどの、沖縄らしい商店街や令和5年3月にリニューアルオープンした牧志公設市場もありますので、有名な国際通りのそばでよりディープに沖縄を楽しみたい方はぜひ訪れてみてください。

編集部
編集部

なるほど。やっぱり器の見え方が変わってきますよね。

深みのある観光になると思います。

安全対策について

質問5編集部

現在の新型コロナ感染症対策の取り組みについてお聞かせ願います。

答え5学芸員 又吉

館内には入口やアンケート机など、必要な場所に消毒用アルコールを設置しています。また、常時空調による換気も行っております。

那覇市立壺屋焼物博物館の事前情報、知っておきたいマナー・エチケット

質問3編集部

事前に知っておくと得するチケット情報や豆知識はございますか?

答え3学芸員 又吉

例年以下の日程で那覇市立壺屋焼物博物館を無料開館しております。

・4月3日(シーサーの日)
・5月18日(国際博物館の日)
・7月8日(なはの日)
・11月3日(文化の日)
・11月上旬(壺屋やちむん通り祭り期間中)

また、壺屋地域では毎年11月にお祭りが行われます。11月上旬には壺屋やちむん通り祭りが行われ、通りの店舗での割引販売やアトラクションなど見どころ満載です。

– 壺屋やちむん通り祭り –

11月下旬には壺屋小学校グラウンドに壺屋焼の窯元が一堂に会する壺屋陶器まつりが開催され、多くの器を楽しむことができます。陶工たちが技量や早さを競うカーミスーブは必見です。

カーミスーブ
– カーミスーブ –
編集部
編集部

とっても貴重なお得情報です。ありがとうございます!

カーミスーブは、陶工さんたちの真剣な戦いって感じです。

匠な手さばきを生で見れるし、後ろで実況の方が会場を盛り上げていますよね。楽しそう!

実況「どうした?赤組の手が止まっているぞ?」

そんな感じでしょうか(笑)。

そして、11月下旬なのにみんな半袖なんですね……。

質問3編集部

絶対にしてはいけないことがありましたら教えてください。

答え3学芸員 又吉

ご来館する皆さまにより気持ちよくご利用いただくため、以下についてお願いしております。

・館内及び敷地内は禁煙です。
・館内での飲食はお控えください。
・フラッシュ撮影はお控えください。
・展示資料の中には撮影不可のものがございますのでご注意ください。

お食事処、人気のおみやげ

質問6編集部

食事はできますか?お近くにおすすめの店舗がございましたら教えてください。

答え6学芸員 又吉

壺屋やちむん通りには飲食店がございます。

「ぬちがふぅ」では国指定重要文化財の登り窯「東ヌ窯(アガリヌカマ)」を眺めながら琉球料理を楽しむことができます。

・やちむん通り沿いの「うちなー茶屋 ぶくぶく」では、沖縄の伝統茶「ぶくぶく茶」や氷ぜんざいなどが堪能できます。

・やちむん通り沿いの「カフェ・南窯」では県指定重要文化財・登り窯「南ヌ窯(フェーヌカマ)」を眺めながらコーヒー・軽食を楽しむことができます。

 南ヌ窯(フェーヌカマ)
– 南ヌ窯(フェーヌカマ)-

・壺屋焼の窯元「育陶園」が経営している「Etha(イーサ)」「Nanne(ナンネ)」では器を楽しみながら軽食をいただくことができます。

・博物館の後ろにある「ヤマカスタンド」ではコーヒーやスコーン等の焼き菓子がテイクアウトで堪能できます。

質問6編集部

グッズ等がございましたら教えてください。

答え6学芸員 又吉

1Fにて当館ガイドブックや展示会図録が購入できます。また、博物館友の会によるグッズも販売しております。

編集部
編集部

貴重な6店舗のおすすめをいただきましたよ。

ありがとうございます!

編集部
編集部

さて、「那覇市立壺屋焼物博物館」いかがでしたか?

せっかく沖縄本島に旅行に来てさ、ここを外したら絶対にもったいなさすぎです。

那覇市の中心部ですからアクセスも良く、国際通りから徒歩10分程度ですから、散策コースとしておすすめします。

沖縄の風土を存分にお楽しみください。

又吉様たくさんの見どころを教えていただきありがとうございました!

記事の監修:
那覇市立壺屋焼物博物館
又吉 幸嗣
主任学芸員 考古担当

コメント:壺屋焼物博物館は、壺屋焼をメインに沖縄の焼物文化を知ることができる施設です。

地域の方から観光客の方まで幅広く楽しんでもらえるような博物館を目指しております。

壺屋の通りでは色んなシーサーを見ることができます。屋根の上から道路の端々に、大小様々なシーサーがあり、シーサーを探してまわるだけでも楽しくなります。

壺屋に通い詰めるとシーサーを見ただけで誰の作品かわかるようになる…かもしれません。

画像提供:那覇市立壺屋焼物博物館

スポット詳細情報

住所沖縄県那覇市壺屋1丁目9番32号
最寄駅モノレール牧志駅から徒歩10分
壺屋バス停徒歩5分
開南バス停徒歩5分
駐車場障がい者用(1台)
営業時間10:00~18:00(最終入館は17:30まで)
公式サイトwww.edu.city.naha.okinawa.jp/
tsuboya
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