和歌山・観光スポット 和歌山市立博物館 穏やかな場所がなぜバズる?
今回ご紹介するお出かけスポットは、「和歌山市立博物館」です。
「何で人が集まるの?」「バズる法則は?」それを知り尽くしてたら苦労しませんよね。何が原因で話題になるかなんて誰もわからないです。
ただ、日々努力を重ねている人や場所にそれが落ちてくることだけは分かっています。
おそらく色々な偶然やタイミングが諸々重なって、偶然爆発的な人気を集めるのだと思います。
そして、和歌山市立博物館に、そのバズりが起こりました。さてさてそれは何でしょう?
この度、和歌山市立博物館で学芸員を務めていらっしゃいます山下様にお話を伺ってまいりましたので、ごゆっくりご覧くださいませ。
和歌山市立博物館について
和歌山市立博物館はどのような場所ですか?
和歌山市立博物館は、天正13年(1585)に和歌山城が築城され、城下町和歌山が拓かれてから、ちょうど400年目にあたる昭和60年(1985)11月に開館しました。
和歌山の歴史・文化遺産に関する理解を深め、教育・文化の発展に寄与することを目的とした歴史系博物館です。
常設展示では、「資料が語る和歌山の歴史」をテーマに、和歌山市の歴史について、原始から近現代まで6つのコーナーにわけて資料を展示しています。
また、年に4回程度、特別展・企画展を開催しています。
紀州徳川家や雑賀衆、市内の遺跡など、さまざまなテーマで和歌山市の歴史を深堀りしています。
教育普及活動の一環として、市博講座・体験学習・史跡散歩なども実施しています。
いくつかの博物館を取材させていただき、いつも感心するのが、企画の絞り出しです。
過去の遺物や出土品を新しい切り口、角度で紹介してくれます。
次はどんな特別展・企画展がくるのか。楽しみです。
和歌山市立博物館の魅力について教えてください。
昭和の時代に建てられた施設なので、斬新な設備などはありませんが、和歌山市内の歴史について、資料にもとづいて落ち着いて学べるところが魅力です。
和歌山市立博物館の人気の作品、おすすめの作品
人気の展示、おすすめのイベントはございますか?
市内の大谷古墳から出土した馬冑(馬のかぶと)は、国内でも出土例の少ない貴重な資料で、これを目当てに来館される方も多いです。
重要文化財にも指定されている資料なので、実物の展示期間が限られているのですが、毎年夏休みごろには実物が展示されます。
戦(いくさ)で矢などの攻撃から身を守るためでしょうか?
この美しい曲線は、鉄を叩いて作ったのでしょうか?そんな技術が当時にあったのか?
諸々、興味をかきたてられます。
最近では、時節がら「疫病除けマンボウ図」が注目されています。
江戸時代の木版刷りの資料です。
なるほど、このご時世にぴったり。
「まん延防止……。」その言葉に国民は少しお疲れなのかもしれませんね。
そんな中、「満方」って書かれたとってもカワイイ顔した疫病除けマンボウが展示されていたら、これを書いた人物は預言者か!って国民は思いますって。
なんでも1.6万いいねがついたそうで。癒やしが欲しい私たちへのほっこりするニュースなのだと思います。
理由はわかりませんが、昨日から急に数多くの要望が寄せられたため、4日から再び「疫病除けマンボウ」を展示します。なお、繰り返しになりますが、当館の「マンボウ」は、まん延防止等重点措置のことではありません。ふざけた雰囲気もありません。#疫病退散 #新型コロナウイルス #マンボウ pic.twitter.com/k1S8KuCHvp
— 和歌山市立博物館 (@w_city_hakubuts) April 2, 2021
特別展・企画展の周期はどのくらいでしょうか?過去に好評だった特別展・企画展があればいくつか教えてください。
特別展・企画展は、年4回程度行っています。
和歌山の殿様から将軍になった徳川吉宗や、そのおじいさんに当たる初代藩主・徳川頼宣、紀州藩のお姫さまなど、江戸時代の紀州徳川家に関する展覧会は人気でした。
徳川吉宗さんって「目安箱」の人ですね。
遠い昔、中学校にも置いてあったし、今住んでいるマンションにも置いてあります(笑)。
親しみやすく、多種多様の意見を耳にしてから判断ができる方だったようです。
きっと、その展覧会は、おもしろい切り口で紹介したのでしょう。
また、和歌山市内を撮影した古い写真の展覧会も、懐かしさや新たな発見をもたらしてくれると好評です。
地元の方には、特に喜ばれる企画ではないでしょうか。
写真撮っておいて、同じ場所と比較してみたりして。
安全対策について
新型コロナ感染症対策の取り組みについてお聞かせ願います。
マスク着用、手指の消毒、検温をしたうえで、ソーシャルディスタンスを保った観覧をお願いしています。
また、人の触れる箇所については、定期的な消毒を行っています。
和歌山市立博物館の事前情報、知っておきたいマナー・エチケット
事前に知っておくと得する情報、豆知識はございますか?
周辺の博物館・美術館をめぐると、2館目以降は割引料金で入館できます。
当館だけでなく、和歌山県立近代美術館、県立博物館、和歌山城天守閣、わかやま歴史館もあわせて周遊すると、お得です。
これは、耳よりな情報ですよ。ありがとうございます!
調べてみて分かったんですが、入館料が安い和歌山市立博物館(一般・大学生100円)へ2館目に訪れるのは、もったいないですよこれ!
必ず、はじめに訪れるのがここ(和歌山市立博物館)だと思います。
絶対にしてはいけないことがありましたら教えてください。
館内は飲食禁止、禁煙となっています。
ミュージアムショップの人気商品について教えてください。
前述のマンボウ図の缶マグネットが、今は人気です。
博物館の受付で販売している「疫病よけマンボウ」缶マグネットが大変好評です(1個100円)。まとめ買いして、お知り合いに配る方が多いようです。売れ切れるかもしれませんので、お早めにお買い求めください。#疫病退散 #新型コロナウイルス #マンボウ #まんぼう pic.twitter.com/7pUvn2nc8s
— 和歌山市立博物館 (@w_city_hakubuts) February 10, 2022
かわいい!
大変お手軽な価格ですから、話題性とお守り的な意味もこめてお土産にぴったりです。
和歌山市立博物館いかがでしたか?
和歌山市に引っ越してきたり、観光で訪れた方がまず初めに足を運ぶ場所だと思います。
原始時代から現代までを6分割でわかりやすく学習できるので、この土地の理解が深まります。
大きな感動を呼ぶというよりは、緩く落ち着いた雰囲気を楽しみ学ぶところじゃないかな。
山下様、これからも楽しい企画、展示をお願いします。ありがとうございました。
記事の監修:
山下奈津子
和歌山市立博物館
学芸員
和歌山市の歴史をたどると、現代からすると意外に感じられる側面もたくさんあります。
そうした和歌山市の個性が展示から伝わればいいなと思いながら研究に取り組み、その成果をわかりやすく展示で伝えようと、試行錯誤を繰り返しています。
是非一度足をお運びください。
画像提供:和歌山市立博物館
スポット詳細情報
住所 | 和歌山県和歌山市湊本町3丁目2 |
最寄駅 | JR和歌山駅下車から和歌山バス南海和歌山市駅前下車徒歩5分 阪和自動車道和歌山ICから国道24号線(和歌山市内方面)約20分 |
駐車場 | 有 博物館地下駐車場 |
営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
公式サイト | www.wakayama-city-museum.jp |